短歌

  星辰界(5首)

わたくしの平方イコールきみなりしとき星辰の熱をし佩びけむ

星月夜――迷宮学の線を曳きわれなるものの出口ふさがる

パトグラフィーの教本にしるされしわれらが父の聲をめぐらむ

曐曐ほしぼしを戴冠せらる三日月のたるる杖の御稜威みいつほろびき

窓のに淋しさどちの感嘆符春をしらせに急ぐ夜を聴く