短歌

  静物

卓上にならべし骨の眼の虚ろ人工洞窟グロッタと洞洞たりき

甕星の白き光のほのみえて有翼の蛇ゆるるかに堕つ

をんなてふ體溫計を插し入る夜 不氣味なるものあまたえをり

媾婚星よばいぼし青く耀かがよ夕星ゆうづつの空に無かりき火船の聲す

手鏡の裏にひそめるかおに塗られしあかやがかわかむ