随眠行

きみ悒鬱ゆううつは おおきな焉

あえかなる光 降る夜よ

玄黒の翼をきずつけし きみ

 

万象は しづかに見入る

幽光のえる 交差点

 

はひとの含羞の河水

果してきみの頰紅を溶く

 

夢寐にたおし 

きみは無声の夜 無声の

経済だけが流れ込む天

 

ひむがしの方から順に墜ちて

よと通達は明け染め

 

晦冥のひびきが くゆる舗道

嗟嘆に満ちた 桃色よ

 

独歩する 毒鼓の鳴響どよもし

だひとり 随眠の街