短歌

  暮鳥に

聖三稜玻璃に綺羅美の屈折光 冷寂の閨 虹蜺の交

  清白に

秋成の沈めるふみを引き揚げし船にぞてる柿の実あざ

  有明

くずれ来し白き月をばいわに無絃の琴を独り爪弾く

 

みみだまの落ちる音はもみちはな はるか延びゆくかげのまたかげ

片咲かたえみのしらじらしさよ秋の草 ゆうなきよげに打ち散らめやも